②赤羽から二子玉まで(20~50km)
ここまではいたって順調です。
案外あっさり行けそうだな、なんて舐めた思いが心に浮かびます。
さて、赤羽付近まで来たら環八(カンパチ)こと環状八号線をおよそ30km走り抜けることになります。
〇ペース・補給について
他の区間でもおおむね、走るとはいっても基本的に「だいたい4kmくらい走って1kmくらい歩く」を延々と繰り返していました。ただし、距離を重ねるごとに4kmが3km、2km・・・といった具合にどんどん歩く距離が長くなっていきます。
また、尋常じゃないカロリーを消費することも分かっていたので、コンビニを見つけたら積極的に食べ物や水分を補給していました。
ほきゅー pic.twitter.com/pShwGxa8UC
— いえこもり@100km走るタイプのオタク (@kichisyumi) 2016年12月23日
〇練馬区のあたり
この辺りは住宅地で、基本的に人は全然歩いていませんでした。
駅周辺だとぽつぽつと見かけるものの、数分走ると誰もいなかったです。
道幅も広く、時々信号にひっかかるもののそこまで不快ではなかったです。
筋肉痛もまだ常識の範囲内で普通に走ることができています。ただ、左足にマメができそうだったので、一度靴下を脱いで足を乾かしました(たまたま見つけたコンビニのベンチを使いました)
(普通の住宅地を走りました)
〇家族連れと遭遇
信号待ちをしていると、4人家族が後ろからやってきました。
長女らしき女の子がキラキラ光るこういうやつ(キックスケーターと呼ぶようです)に乗ってて、
次女らしき女の子がディズニーの袋を持ってて、
ご両親が楽しそうにお話ししています。
誰がどう見てもクリスマスを満喫している家族です。近くの公園にでも行くのでしょうか。
私はすぐ1mくらい隣で信号を待っています。100km走ってます。一人で。
・・・その辺のカップルなんかよりよっぽど破壊力がありました。
(ぶれまくってて何もわかりませんが、たぶん赤丸した部分が家族です)
〇階段とか
広い道路を走っているので、反対側へ渡る手段が歩道橋だったり地下道だったりすることもありました。
やはり階段だと平地よりもきついです。特に下り。
次:
③二子玉から川崎まで(50~65km)
①スカイツリーから赤羽付近まで(0~20km)
〇出発!
まずスカイツリーに向かう電車の中、どこか気持ちが浮ついていてやたらドキドキしていました。
走り切れるのか不安だったり、走り切った時の達成感を想像してワクワクしてみたり、マジで走るの?みたいに困惑していたり、感情がグルグル回ってよくわかんなかったです。
そんな浮ついた気持ちの中、キラキラしていたスカイツリーの付近をひとりで歩き回り、適当なスタート地点を見つけ、寒さか何かで若干震える指でツイートをしたら、18時30分くらいに出発しました。
【こもりん100kmマラソン@クリスマス】
— いえこもり@100km走るタイプのオタク (@kichisyumi) 2016年12月23日
・全く予定が無いので走ります
・徒歩・仮眠休憩有
・24時間以内目標(完走できればあまり時間は気にしないつもり)
☆ルート
①スカイツリー
↓
②赤羽
↓
③二子玉川
↓
③川崎
↓
④お台場
↓
⑤スカイツリー(ゴール) pic.twitter.com/pDCdsm5wUl
〇隅田川
スタート直後は、おおむね川沿いに進み、赤羽を目指しました。
都内の川沿いはランニングコースが充実しているようで、
非常に走りやすかったです。
こういうランニングコースは、見晴らしもいいし、何より信号に引っかからなくて済むので大変ありがたかったです。
ただ、そんなに厚着したつもりはなかったのに走ってみると意外と暑いのはちょっと辛かったです。
オリオン座を見つけて、指でなぞってみたり、まだまだはしゃぐ余裕がありました。
〇荒川
本当は、隅田川沿いに走る予定だったのですが、
唐突に、地図を見ながら「某アニメ」を思い出し急きょルートを変更
荒川へ向かいました。
「荒川アンダー・ザ・ブリッジ」って言いたかっただけです。
聖地の下調べは全くしてなかったので実際どうなのかは極めて微妙ですが、
それらしき野原みたいなのを見つけて勝手にテンションあげてました。
(荒川のどこかの橋の下からの写真)
そして、ランニングコースなのに全く人とすれ違いませんでした。猫には会いましたが。
星空の中に自分の足音だけが小さく響いて、木々の陰に向こう岸のビルの明かりが漏れる、
そんなちょっぴり特別な雰囲気を一人で満喫することができました。
次:
プロローグ
〇発端
11月。仕事中に仕事するふりをしながら休みの予定でも考えようと、カレンダーを眺めた私はあることに気が付きました。
・・・今年のクリスマス3連休じゃん。
そのような、キラキラしたリア充イベントとは無縁な私は、
早速これまた無縁なリア友へ連絡します。
「おい、今年クリスマス3連休だぞ、これはもう誰かの家に集合して
一晩ゲームしまくろうぜwwwクリスマスは中止してゲーム大会だぜwww」
リア友A「え、うー、その日はちょっと・・・」
リア友B「・・・お昼だけなら」
リア友C「じゃあ俺もやめとくー、まだどうなるか分からんしー」
・・・ふ~ん、そうなんだー、君たちふ~ん、へー忙しいんだその日
何と友情とは儚いものでしょう、あっさりと裏切られてしまっていたようです。
信じてたのに、君たちは私の味方だと信じてたのに・・・。
クリスマスと無縁な人間は私だけだったのです。
私はほとほと困り果ててしまいました。
何よりの問題は、私は性根が心底腐っているので彼らのことを全く許せないのです。
普段なら、クリスマスにひとりで過ごしてようが別になんとも思わないのですが今年は違います。
クリスマス当日、テレビを見ていても、ゲームをしていても、どこかへ出かけても、きっと心のどこかで「今頃あいつらは”お楽しみ”なんでしょうね・・・」とか思ってしまうに違いありません。
どうにかして、あいつらのことを考えずに済むような予定を考えなければ・・・。
そこで考えた私の対応策はこれです。
「クリスマス当日に死ぬほど疲れてぐったり休んじまえばいいんだ!」
そして、死ぬほど疲れるための手段が100キロマラソンだったのです。
また、
1.わざわざクリスマスに
2.大したマラソン経験もなく
3.腰痛が良くなったばっかりなのに(後述します)
100キロ走るのはきっと世界で私だけだろう、という謎のプレミア感にどこか心を惹かれてしまったのも大きな要因です。
〇自己紹介
まず、わたしについて書きます。
いえこもり、オタク系20代社会人♂、身長174cm、体重70キロ。
学生の頃は野球部だったりバレー部だったりしました。
スポーツ自体は人並程度にはこなせていたと思います。
ただし昔から持久走は大の苦手で、マラソン大会は下から10番目くらいでした。
また、腰痛持ちです。
正確に言うと、治りたてホヤホヤの「椎間板ヘルニア」です。
大学生のころから何となく腰が痛かったのですが、今年の4月ごろに急激に悪くなったので病院へ行ったところ、診断を受け、そこから毎日薬を飲みながら週1でリハビリに通う日々を過ごしました。
ただし、治療のかいあって症状はかなり良くなりました。10月ごろには日常生活で困ることもほとんどなく、リハビリ自体は年内で無事終了となりました。(マラソンスタートの3日前が最後のリハビリ日でした)
定期的に治療を受けることはなくなりましたが、今後も投薬自体は続ける予定です。
〇スタートまでの準備
11月の中頃ごろから仕事終わりにランニングのトレーニングをしました。
最初は2,3kmでしたが、そのうち平日に10kmくらいなら普通に走れるようになりました。また、本番の1週間前にリハーサルとして50km走りました。
逆に言えば、これしかしていません。はっきり言って準備不足だったでしょう。
後は、適当に服装等の装備を整えて終わりです。
今あるものを最大限活用した結果、追加投資は1万円程度で済みました。
一番高くても白いジャージ3000円です。
〇ルートについて
スタート地点は、スカイツリーにしました。
何となく、クリスマスでキラキラしてそうだからです。
あとは円状になるように適当に決めました。
次:
①スカイツリーから赤羽付近まで(0~20km)